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ロコモティブ シンドローム

ロコモティブシンドロームとは

筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器に何かしらの障害が生じたことで、「立つ」、「歩く」といった機能が低下している状態を 「ロコモティブシンドローム」=ロコモといいます。
進行すると日常生活に障害が生じて、将来的に介護が必要になる可能性や寝たきりになる危険性が高くなっている状態です。
早い方であれば40歳頃から、そのような兆しがみられるようになるといわれています。

ロコモは、メタボリックシンドローム(メタボ)、認知症とあわせて、「健康寿命の短縮」、「要介護・寝たきり状態」の3大要因のひとつとなっています。
現在ロコモの人口は予備軍を含めて4700万人といわれており、これは高血圧(4000万人)や糖尿病(2050万人)などと比べても多い数字です。
日本における新たな国民病と考えられます。

ロコモの原因になる疾患は色々ありますが、その多くは整形外科で治療の対象となっている疾患です。
たとえば、加齢による筋量の低下(サルコペニア)やバランス能力の低下などによって運動器が機能不全となる、運動器自体の疾患(変形性膝関節症、変形性脊椎症 など)、あるいは骨粗鬆症などがあげられます。

当院ではこのような疾患に対し適確な診断のもと、単にロコモ予防をお勧めするだけではなく、必要な治療をしっかり提供いたします。
特にこれらの疾患は、適切な治療を充分に行えば、効果が期待できるものです。
近年は治療の選択肢も増えていることから、患者さん一人ひとりに合った治療法を提供いたします。

健康寿命と平均寿命

健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
日本人の健康寿命と平均寿命を比べると以下の様になります。

  • 男性 健康寿命72.68歳 平均寿命81.47歳
  • 女性 健康寿命75.38歳 平均寿命87.57歳
(健康寿命2019年、平均寿命2021年)

平均寿命から健康寿命を引くと、男性は約9年、女性は約12年になります。
この期間はロコモが生じやすくなります。
すなわち筋肉量の低下(サルコペニア)、関節や脊椎の変性(変形性膝関節症、変形性脊椎症)、骨粗鬆症(骨量の減少)といった運動器の障害やバランス能力の低下により歩行障害などがおきやすく、転倒や骨折のリスクが高まります。
症状が進行すると日常生活にも支障をきたすようになり、自立度の低下や寝たきりになってしまうことも少なくありません。
「運動器の障害」はロコモを含めて要支援・要介護になる要因の25%(2019年)を占め、その第1位です。

要介護や寝たきりは、ご本人だけでなく、家族など周囲の人にとっても問題にもなります。
自分だけでなく、あなたの大切な家族や友人などのためにも、運動器の健康を維持することが大切です。
いつまでも自分の足で歩き続けていくためには、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが重要なのです。

若いうちから「運動の習慣」を身につけましょう

骨や筋肉量のピークは20~30歳代と言われています。
骨や筋肉は適度な運動や生活活動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで、強く丈夫な状態に維持されます。
そのため「運動の習慣」を持たない人は、骨や筋肉が弱くなるスピードも早く、運動器疾患に罹患する率も高い傾向があります。
別の言葉で表せば、「運動の習慣」を持たない人は。40歳代や50歳代で身体の衰えを感じやすくなり、60歳代以降は思うように動けない身体になる可能性があります。
すなわち運動の習慣はロコモに関係しているといえるでしょう。

あなたのロコモ度をチェックしてみましょう

最近、足腰が弱くなった気がする、つまずきやすくなった、平坦な道を歩いても転びそうになる、といったことを感じられている方は、ロコモの可能性もあります。
その場合は、日本整形外科学会公式のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト内の「ロコチェック」を参照してみましょう。あなたのロコモ度を調べることができます。
ちなみに「ロコチェック」7項目の中でひとつでも該当するものがあれば、ロコモの予防対策を行う必要があります。
7項目の内容については、以下のようなものになります。

7つのロコチェック

以下の項目に1つでも該当する方はロコモティブシンドロームが疑われます

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたりすべったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
  5. 2kg(1リットルの牛乳パック2個程度)程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  6. 15分くらい続けて歩くことができない
  7. 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモの予防対策には運動を

ロコモーショントレーニング

ロコモの治療としては、原因疾患に対しての治療を行うことはもちろんですが、適度な運動をすることにより、筋力や関節の動きを維持もしくは増進していくことが大事です。

上記チェック項目から1つ以上該当するものがあった場合、0を最終的な目標として、ロコモーショントレーニング(ロコトレ:主な内容は、片脚立ち、スクワット、筋トレなど)を行っていくようにします。
なお、明らかな原因疾患があるという場合は、その治療をしていくことから始めていきます。

毎日の生活に「+10」の習慣を

ロコモトレーニングも重要ですが、今よりほんの少し意識を変えて「体を動かす」だけでロコモ予防につながります。

  • 自転車や徒歩で通勤する
  • 1日30分のウォーキング
  • 仕事の休息時間に体を動かす
  • エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
  • 掃除や洗濯などの家事はキビキビと行う
  • テレビを見ながらロコトレ、ストレッチをする
  • いつもより遠くのスーパーまで歩いて買い物に行く
  • 休日に家族や友人と外出を楽しむ
  • 地域のイベントなど人が集まる場に積極的に参加する
  • ラジオ体操をする

当院では患者さん一人ひとりのロコモ度に応じた治療の提案を行っています

ロコモと診断された患者さん、あるいはその予備群であると指摘された方につきましては、個々の患者さんによって状態が異なるため、当院では個別に治療を考案、提供させて頂きます。
ロコモの三大原因疾患は、骨粗鬆症、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症ですが、これらの治療と並行してロコモの予防と治療を提案いたします。
当院の医師は、日本整形外科学会公式ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモONLINE」にてロコモアドバイスドクターに登録しております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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