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首の痛み

首の中には脊髄という神経があり、そこから枝分かれして首や肩や腕に分布します。
それぞれが支配するエリアに症状が表れます。
痛みとしびれは首から由来する特徴的な症状です。我慢できる程度の軽度のものから、夜も眠れないほどの激しいものまでさまざまです。

首は脳と直結する非常に重要な部位です。
体中を走る無数の神経の束の通り道にもなっており、非常に繊細なケアを必要とします。
重症度は他の部位と比べると非常に高く、最悪の場合には脊髄損傷など、今後のご自身の生活の質に直接関わる大問題へと発展する可能性があります。

初期の段階では病気としての認識が乏しいため、お忙しい方ほど我慢しがちになり、生活に支障が出るレベルにまで悪化し初めて病院へ駆け込まれるというケースは珍しいことではありません。
首や首周りに異変を感じたら、まずは早期に詳しい検査と適切な治療を開始することが大切です。
それが根本的解決のための大きな一歩となります。
まずはお気軽にご相談いただければと思います。

代表的な症状

  • 首、背中や腕に激痛が走る
  • 一定の方向に力をかけると痛い
  • 首のこり
  • 特定の方向に向くと痛い
  • 頭痛、めまい、耳鳴り
  • ふらつき
  • 歩行障害
  • 手に力が入りづらい
  • 文字が書きづらい
  • 手がしびれ感覚がなくなる、など

症状は加齢による原因と紛らわしい疾患も多くあるため、自己判断による放置は大変危険です。
今ではストレートネックなど若い世代の患者さんも多くみられるようになってきました。
普段から正しい姿勢を心がけ、異常を感じたらまずは早期に当院までご相談ください。

代表的な病気

頸椎椎間板ヘルニア

頚椎と頚椎との間にはクッションの役目をする椎間板があります。
それが変形、変性して後方に脱出し脊髄や神経根を圧迫する病気です。
ヘルニアの脱出場所により、神経根症の場合や脊髄症の場合があります。

上に示したMRIはT2強調画像の矢状断(横から見た像)と水平断です。第3頸椎と第4頸椎の間に椎間板ヘルニアがみられます(赤矢印)。神経と硬膜嚢が圧排されています。

頚部痛

首は重い頭部を少し前に垂れるような形で支えています。
もともと負担がかかりやすい構造である上に、長時間のデスクワークなどで固定された姿勢で負荷が多くかかり過ぎると首周りの筋肉を傷めやすくなります。
症状が進行すると頚椎椎間板ヘルニア、頚椎椎間板変性や脊柱変形へと移行する可能性が高くなります。

首こり

いわゆる肩こりの症状です。
重い頭部を毎日支えている首の筋肉は疲労がたまりやすい場所です。
「こり」や「はり」は徐々に痛みへと変わり、首すじ、首の付け根、肩、背中へ広がっていきます。
痛み、時に頭痛や吐き気を伴います。原因は基本的には筋肉の痛みであり、多くの場合骨には特別な異常がみられないことが特徴的です。
長期間放置すると症状が悪化し、変形が出現するなど骨にも問題が起こりやすくなるため早めの治療が肝心となります。

頸椎症性神経根症

椎間板の出っ張りや骨のとげにより、神経根が圧迫される病気です。症状は、頚部、腕、肩の痛みやこり、腕と手のしびれがあり、首を後ろへ反らせると、頚部痛や手のしびれが増す特徴があります。
神経への圧迫の程度により腕や肩の筋力低下、感覚障害が生じます。

赤矢印の部分で神経根が圧迫されています。

頸椎症性脊髄症

椎間板の出っ張り、骨のとげ、靱帯の肥厚により、脊髄が圧迫される病気です。
症状は、手指の細かい動きができなくなる、手足のしびれ、歩行障害、手足の筋力低下などがあります。
有効な保存療法は少なく、定期的に症状の進行がないかチェックする必要があります。

むち打ち症(頸椎捻挫、外傷性頚部症候群)

交通事故

寝違え

眠って目が覚めたときに気づく首の後ろや首から肩にかけての痛みをいわゆる寝違えといいます。
首を動かすと痛く,痛みで首を動かせないこともあります。
原因は、不自然な姿勢で寝たための筋肉の循環障害、前日に慣れない動きをしたための筋肉の損傷、頸椎の後にある関節の炎症などが考えられています。

ストレートネック

いわゆる「スマホ首」と呼ばれる状態です。
最近ではゲームや動画視聴によるスマートフォンの長時間使用が当たり前となり、当院においても若い世代の方々を中心に首に違和感や痛みを生じてご相談にお越しになられる方が増えています。
首が後弯(前に緩い角度で垂れ下がっている形)した状態で長時間維持される姿勢となるため、首の骨の変形が起こりやすくなります。
リモートワークの増加や運動不足などによる要因も相まって患者数が非常に増加しています。

首さがり症候群

首まわりの筋力が急激に低下し頭部を支えられなくなったり、首の骨に過度な変形が起きると、頭部が前に下がってしまう姿勢になります。
歩行が困難になるだけでなく、気管や食道部分を圧迫することで呼吸障害や嚥下障害が起こりやすくなります。さらに首まわりの筋肉が突っ張ってしまうため、痛みや強いこり・張り感がでます。

診断に必要になる主な検査

頚椎は非常に複雑な構造をしています。
さらには脳と全身を繋ぐ無数の神経の通り道でもあります。
痛みを生じている場合には首のどの部分の神経が圧迫を受けているのか、異常箇所を明らかにし、精緻な分析を重ねる必要があります。
検査の結果によっては治療方針や治療内容が細かく異なります。

レントゲン

骨の変形の有無など、まずは形状的な異常がみられないかを細かく確認します。

MRI

筋肉や靭帯などの軟部組織異常、血液の流れや神経の圧迫の程度などを多角的に分析することができます。

治療について

症状や程度によって治療内容は細かく異なります。

薬物治療

痛みを感じている場合には痛み止めや筋肉の緊張を和らげるための薬を用いた治療が必要です。
特殊な神経症状に対する薬から一般的な痛み止めまでさまざまなタイプの薬をご用意いたしております。

ブロック注射

障害を受けている神経もしくは疼痛の原因となっている神経に直接薬剤を注射して状態を改善させることを目的とします。

リハビリテーション

物理エネルギーによって得られる刺激を利用してリハビリテーションを行います。
循環・局所代謝機能の回復を促進したり、機能を改善する目的で用いられることが多いです。
運動療法や機能訓練などとあわせることで、さらに治療効果が高まることが期待されています。
骨が正常な機能を保つためには、周りを支える筋肉も同時に鍛えることが必要となります。
ストレッチや筋肉強化のための効果的なトレーニングを加えることによって身体的な機能向上を図ります。

姿勢指導

異常を引き起こす根本的な原因のひとつには日常的な姿勢の悪さが挙げられます。
「立つ」「座る」「歩く」などといった日常的な動作におけるひとつひとつの改善が重要となります。

装具治療

治療専用の装具を作成・着用して改善を試みる治療法です。
長時間装着は推奨されませんが、患部が固定されるため痛みが軽減しやすく、骨の変形など形状的な問題がみられる場合にはかかる負担を軽くする形へと矯正します。

手術治療

保存加療では改善しない激しい痛みや、重症な神経症状を伴う場合には手術治療が推奨されます。
手術にて神経の圧迫を取る処置が必要となるため、当院からは随時高次医療機関へご紹介を行っております。
手術後には機能回復・改善に向けた効果的なリハビリテーションが必要となります。

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